こんな本、あります No.111『線路のない時刻表』

昨年(2022年)は、鉄道開業150周年の記念の年でした。一方で、新型コロナウイルスの影響によるローカル鉄道路線の今後のあり方が、社会問題として浮上する年にもなりました。

ローカル鉄道のあり方は、約40年前にも大赤字に陥った旧国鉄(日本国有鉄道)再建とあわせて議論になり、多くの赤字ローカル線が廃止され、また、全国で建設中のローカル線についても、ほとんどが建設中止となってしまいました。

今回紹介する『線路のない時刻表』は、建設中止となったローカル線の沿線を、著者が実際にたどり、新路線を「試乗」する感覚で紹介しており、「試乗」のための架空の時刻表も作成されているのが特徴的です。

これらのローカル鉄道路線は、いずれも地元の第3セクター会社が運行を引き受け建設が再開され、開業後の乗車記を追加した「全線開通版」も刊行されています。

・『線路のない時刻表』宮脇 俊三/著 新潮社 1986(資料コード:1106764960 請求記号:686/M/)※版元品切れ

・『宮脇俊三鉄道紀行全集 3 国内紀行3』宮脇 俊三/著 角川書店 1999(資料コード:1101910469 請求記号:290.9/MI87/3) ※「全線開通版 線路のない時刻表」所収