こんな本、あります No.50『鈴の音が聞こえる 猫の古典文学誌』
鎌倉時代、北条氏によって創設された金沢文庫には、政治・文学・歴史など多岐にわたる書物が収められていました。その書物をねずみの害から守るため、はるばる船に乗って中国から渡って来た猫たちがいました。この猫たちは、ねずみを捕るのに特に優れていたと江戸時代の文献に書かれています。
本書にはこのほか、天皇に愛された黒猫や妖怪「ねこまた」、朝鮮出兵に同行した猫や涅槃図の猫など様々な猫たちが登場します。著者は古典文学や絵画に描かれた猫をその歴史的背景を絡めて愛情深く紹介しています。
猫たちは愛され、時に恐れられながら日本人と寄り添って生きてきました。猫と日本人の深い関わりを感じさせてくれる一冊です。なお、本書は2014年に改題、加筆修正した文庫版が出版されました。
<平成29年12月20日掲載>
『鈴の音が聞こえる 猫の古典文学誌』
田中貴子/著 淡交社 2001.2
(請求記号:910.2/Ta84/ 資料コード:1106967787)
※ 文庫版【改題,加筆訂正】もあります(2014.10 請求記号:S/910.2/Ta84/ 資料コード:1110505219)
★猫と日本人の歴史ついての書かれた図書★
『猫の日本史 猫と日本人がつむいだ千三百年の物語』 桐野作人/編著 洋泉社 2017.1
(請求記号:S/645.7/Ki54 資料コード:1110839352)
『史料としての猫絵』 藤原重雄/著 山川出版社 2014.5
(請求記号:210.04/F68 資料コード:1110191176)