No.021 『不思議の国のアリス 明治・大正・昭和初期邦訳本復刻集成』

book20150307日本でも大変人気のある物語『不思議の国のアリス』が刊行されて今年で150年になります。
 初めて翻訳されたのは、原作が出版された45年後の1910年(明治43年)。丸山英観(薄夜)による訳で、『愛ちゃんの夢物語』として出版されました。「アリス」ではなく、「愛ちゃん」。その後の翻訳でも「綾子ちゃん」「まりちゃん」などの日本人名が使われています。
 また、この本には昭和2年に出版された菊池寛・芥川龍之介による共訳も収録されています。原著者ルイス・キャロルの創作語を、文豪はどう和訳したのか見どころです。