こんな本、入りました。No.144『会話の0.2秒を言語学する』

 会話では、一人の話者が話し、そのあと別の人が話し始めます。話者が交替して話し始めるまでの時間は、研究によると世界の言語で平均して200ミリ秒…つまり0.2秒しかからないそうです。この研究に衝撃を受けた著者は、0.2秒の間に人間の頭の中で、どのような処理が行われているか、言語学者を総動員して探ります。

 会話には、地域や人によっても特徴があるそうです。例えば地域では、世界の言語の平均は0.2秒なものの、日本ではなんと7ミリ秒…0.007秒。日本語話者は相手の発話が終わるより前にかぶせて話し始める傾向があるそうです。

 現代では、会話の反応が早いことが高い能力と考える傾向があるようです。しかし各個人の特徴や場面ぞれぞれで言語化が難しい場合や、会話のテンポが遅くなる場合もあり、会話の早さ=能力は少し異なります。この本を読むことで、多様な人との会話を楽しめるきっかけになるかもしれませんね。

会話の0.2秒を言語学する

水野太貴/著 新潮社 2025.8

(請求記号:804/Mi96 資料コード:1111497895)