こんな本、入りました。No.140『大阪ことばの謎』

 大阪という地で育った大阪弁という方言の不思議に迫った一冊。

 古来、関西弁は京都方言を基盤とし、関西の各地域に広がっていきました。明治期に標準語が確立し、関西弁は消滅の危機に遭いながらも落語家の活躍、戦後の漫才ブームにより、大阪弁というものが確立した流れが解説されます。ちなみに関西のアクセントは、東京のアクセントに比べて、韻律が豊かで歌になりやすいことが指摘されています。京都の例では、祇園祭のちまき売りの歌が簡単に紹介されます。

 関西由来の言葉「知らんけど」にも触れられており、「私よく知らないけど、~らしいよ」の短縮版ですが、関西では好んで使われているそうです。他の地域に比べて関西では「楽しく話す」が重視され、場を盛り上げるために「知らんけど」を使って多少信ぴょう性を犠牲にすることが紹介されています。

 大阪弁を知ることによって、京都のことばの特徴も知ることができるかもしれませんね。(知らんけど。)


大阪ことばの謎

金水敏/著 SBクリエイティブ 2025.5

(請求記号:S 818.63/Ki46 資料バーコード:1111480743)


★こんな本もあります。

大阪弁の深み その独特の魅力を味わう

札埜和男/著 PHP研究所 2025.5

(請求記号:S 818.63/F52 資料バーコード:1111480735)