こんな本、入りました。No.108『明治文学の彩り 口絵・挿絵の世界』
明治・大正期の雑誌や本に掲載された口絵・挿絵の魅力が満載です。
渡辺省亭、鏑木清方、黒田清輝らが描く口絵を楽しめるだけでなく、挿絵のために坪内逍遥、尾崎紅葉、島崎藤村ら近代の文豪自らが描いた「指示画」や、多色摺木版口絵のために絵師が作る見本「差上げ」など、当時の印刷事情が伺える資料も堪能できます。細かい見どころ、版の違い、新聞と本の違いなど、どの図版資料にも解説がつき親切にガイドしてくれます。
予告や人物紹介など本文を楽しませるための様々な口絵の機能や、本文ではなく挿絵に語らせた場面など、文字だけでは味わえない読書の世界を知ると、現在有名な近代小説も当時の絵入りで読み返したくなるかもしれません。
本書を眺めながら、絵と文が織りなす当時の小説や、その制作現場に思いを馳せてみませんか。
(請求記号:910.50/N71 資料コード:(1111319990))