こんな記事、読めます No.46『全国貸本新聞(復刻版)』

昭和30年代、街に多くの貸本屋があった頃、全国貸本組合連合会が組織され『全国貸本新聞』という機関紙が発行されていました。
貸本業界や出版界の動向、人気の本のランキング、さらには包装や接客など貸本業のノウハウなども書かれており、貸本屋を通じたさまざまな事柄が見て取れます。
貸本屋は図書館の歴史とも関わりが深く、紙面には現在の図書館でも議論されるような話題も散見します。読みたい人に本を届ける、その思いは変わらないのかもしれません。
<令和5年5月2日掲載>

〈紹介資料〉
全国貸本新聞 復刻版』1号(昭32.9)~123号(昭48.1)  原誌の出版者:全国貸本組合連合会

《掲載記事の例》
・「貸本衛生問題 病気伝染のデーター無し 厚生省当局の談」4号(昭和32年12月)
・「京都貸本組合結成なる」4号(昭和32年12月)
・「貸本屋は読者層を増やす ―発見された漱石の貸本屋論―」5号(昭和33年1月)
・「貸出し規制に反対 ―マスコミ倫理懇談会と提携―」16号(昭和33年12月)
・「(広告)ココナツキャラメルで雑誌が借りられます」67号(昭和38年3月)ほか
・「二十分間読書運動 全国的に波及」69号(昭和38年5月)

※図書コーナー「本と出会える空間」(令和5年5月24日(水)まで開催中)では、「歴史にみる読書空間」として貸本屋に関する図書も置いてあります。