こんな視聴覚資料、あります No.054 『日本刀 宮入行平のわざ』

刀剣が話題になっています。
このDVDは、人間国宝となった刀匠・宮入行平の刀づくりの技術を後世に伝えるために、文化庁が作刀の過程を記録した映像資料です。刀は、刀匠が原料となる玉鋼を作るところから始まり、その後様々な過程を経て一振りの刀が打ちあがり、研ぎを経て刀剣として完成します。鍛冶の仕事は一部過程を除き、ほぼ密室の工房の中で行われるため、通常は見ることが出来ない工房内の様子を窺える貴重な資料でもあります。
刀づくりは千年以上の歴史を持ち、日本で最も古い伝統工芸の一つですが、手仕事ゆえにその技術を伝えていくことは大変難しく、時代の流れの中で失われてしまった技術もあるそうです。現代刀工である宮入行平氏は、作刀の技術が最高峰に達した鎌倉時代の名工・志津兼氏や、江戸時代の名工・山浦清麿の作刀を研究し、その再現を試みています。
関連図書『刀に生きる 刀工・宮入小左衛門行平と現代の刀職たち』を合わせてお読みいただくと、刀匠・宮入行平の息子であり、自身も刀匠である宮入小左衛門行平から見た父・行平の目指した刀づくりについて、より深く知る事が出来ます。
〈令和3年 12月14日掲載〉

◆ご紹介資料
DVD『日本刀 宮入行平のわざ』
文化庁/企画 岩波映画製作所/製作 岩波映画製作所 2011年
(請求記号 DV 756// 資料コード 1500099641)

◆関連資料
『刀に生きる  刀工・宮入小左衛門行平と現代の刀職たち』
塩野米松/聞き書き 宮入小左衛門行平/[ほか述]  KADOKAWA 2016年
(請求記号 756.6/Sh75 資料コード 1110494729)

『日本刀全集 第7巻 日本刀のできるまで』
宮入 昭平(行平)/[ほか]著 徳間書店 1976年
(請求記号 756/N/7 資料コード 1100869534)

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