図書館の窓口では利用者の方から様々な相談を受けます。書名がわかっていてその本を所蔵しているかどうか、特定の著者が書いた資料にどんなものがあるか、といった相談は、たいてい簡単に案内できます。しかし、「何々について書かれた資料を見たいのですが・・・」、「何々の事を調べているので参考になる資料を探している。」といった相談を受けることもあります。
 こういった時に資料探しの手がかりとなるのが「件名」です。今回は、「一般件名」についてお話をします。

以前、この欄で「個人件名」のお話をしました。その際「図書館で使う「件名」は、自分の思いついたことばを勝手に書くのではなく、その書き方に一定のルールがあります。」というくだりがありました。『図書館用語集 3訂版』によると、「件名」とは、「図書資料(著作)の主題(subject)を簡潔なことばで表したもの」とあります。例を挙げて説明しましょう。

『書物の敵』、『新刊!古本文庫』、『人恋しくて本好きに』、『ブック革命 電子書籍が紙の本を超える日』、『ブック・アートの世界 絵本からインスタレーションまで』という資料を検索すると、どの資料も【一般件名】という項目に「図書」という件名が与えられています。書名には、「書物」、「古本」、「本」、「ブック」、「書籍」、「絵本」といったいろいろなことばが使われていますが、「一般件名」は「図書」ということばを使っています。「女性」、「女子」、「婦人」について書いた本には、「女性」という件名を使います。「一般件名」として目録に記述することばには一定の約束があり、統一したことばを使います。このことばを五十音順に配列したものが『基本件名標目表』です。1956年に初版が刊行されて以来改訂が積み重ねられ、最新版は1997年刊行の第4版となっています。当館では現在、目録作業時にこの『基本件名標目表』を用い件名を与えることを基本としています。「日本目録規則」では、小説などの文学作品や芸術作品などには、「一般件名」を与えません。当館では長い歴史の中で「一般件名」が付与されていない目録もあります。また、独自のルールとして郷土(京都)資料には、京都に関係する個人名、団体名、地名、京都特有の事象(祇園祭、大文字、西陣織等)といった固有名詞も「件名」として付与しています。

「一般件名」は検索の上で重要な手がかり(アクセス・ポイント)となります。「一般件名」を使って本を探すと関連する資料が検索できます。読みたい資料をタイトルなどで特定した後に、他にも同様の資料を探したい時は、「一般件名」に表示されていることばを使ってもう一度探してください。インターネットで当館の蔵書を検索する場合(府立図書館・総合資料館の蔵書検索)は、検索項目を変更すると、「一般件名」に限定して検索できます。

私もこの「件名」を使いこなし、的確な資料情報提供を追及していきたいと思います。(し)

参考文献
資料名 請求記号 資料コード
『基本件名標目表(第4版)』
日本図書館協会件名標目委員会編 日本図書館協会 1997
/014.49/N71/1 1106054206
『資料組織概説』(新現代図書館学講座10)
岩淵康郎編著 東京書籍 1998
/010.8/Sh62/10 1101756607
『資料組織法(第5版)』
志保田務・高鷲忠美著 第一法規出版株式会社 2002
/014.3/Ki17/ 1107026344
『図書館用語集3訂版』
日本図書館協会用語委員会編 日本図書館協会 2003
/010.33/N71/ 1108157270

 

例としてあげた文献
資料名 請求記号 資料コード
『書物の敵』
ウィリアム・ブレイズ[著] 八坂書房 2004
/020.4/B52/ 1108071323
『新刊!古本文庫』(ちくま文庫)
北原尚彦著 筑摩書房 2003
S/020.4/Ki64/ 1108166024
『人恋しくて本好きに』
山野博史著 五月書房 2006
/020.4/Y38/ 1108508027
『ブック・アートの世界-絵本からインスタレーションまで-』
中川素子編 水声社 2006
/020.4/N32/ 1108502673
『ブック革命-電子書籍が紙の本を超える日-』
横山三四郎著 日経BP社 2003
/023/Y79/ 1108175322