学校図書館で、本の大きさを測っていると、図書館にやってきた先生が驚いて言いました。「図書館の本って、いちいち大きさを測るの?」目録に記入するために本の大きさを1冊ずつ測ることが当たり前になっていた私は、その驚きように驚いてしまいました。図書館の本はなぜ大きさを記録するのでしょう?

今回は本の「大きさ」についてお話します。

『日本目録規則 1987年版改訂3版』によると、図書の大きさは外形の高さ(縦の長さ)をセンチメートル単位で、端数を切り上げて記録します。15.2cmの文庫本は16cm、25.7cmのB5判は26cmとなります。横が縦より長い「横長本」、縦が横より倍以上長い「縦長本」、正方形に近い「枡型本」など、特殊な形の場合には、縦と横の長さを×(かける)印で結んで記録します。横に長くつないだ紙を軸に巻いて保存する「巻物」では軸ではなく料紙の高さを、一枚の紙を折りたたんで保存する「畳物」は拡げた形と折りたたんだ形の両方の大きさを記録します。

「大きさ」は本の特徴を表す要素のひとつです。目録に記されている「大きさ」を見ると、現物を見なくても、それがどんな本なのかある程度想像することができます。棚から本を探す時の手がかりになりますし、同じ内容でも大きさによって利便性が違います。同じ小説でも小さい方が持ち運びが楽でしょうし、大きい本の方が文字が読みやすいかもしれません。書庫から本を出してくる時、小さくて薄い本ばかりなら手ぶらで取りにいけますが、大きくて分厚い本ばかりなら運ぶための台車を持っていかなくては大変です。
「大きさ」は管理に当たり注意すべき事項でもあります。極端に大きな本は普通の書架には納まりませんし、小さな本は紛れて見つけにくくなる可能性があります。当館では大きさが31cm以上の本を「大型本」、18cm以下の本を「小型本」とし、大型は「E」、小型は「S」という別置記号(コラムNo.6「請求記号について」参照)をつけて、普通の本とは別の場所に配架しています。

 当館所蔵の大きな本、小さな本を少し紹介してみます。大きな本では、『日本地質図大系』というシリーズ本があります。先ほども出てきたとおり、当館では縦が31cm以上だと大型本になりますが、この本は、その約2倍の61cmあります。地下1階の大型本のコーナーにありますが、専用の棚でも収まらないので、横に寝かせて置かれています。小さな本では、『豆本大阪年中行事小事典』が挙げられます。156ページの事典ですが、大きさは9.2×6.2cm(目録上は10×7cm)。名刺とほぼ同じくらいです。
『ギネス世界記録 2007』によると、世界最大の市販本は『ブータン』(BHUTAN)で、高さが1.52メートル、開いた時の幅が2.13メートルもあります。印刷された最小の本は、2001年にアメリカのマサチューセッツ工科大学の科学者が作った欽定訳聖書で、コンピュータのチップをつくるときと同様の技術を使い、5ミリ四方のシリコン板に印刷されています。

今では私も、本を見ただけで大体大きさが分かるようになりました。何かの大きさを尋ねられて、手近にあった文庫本を物差し代わりに「約15cm」と答え、驚かれたこともあります。皆さんも本の大きさを覚えていると、意外なところで役に立つかもしれません。(ゆ)

参考文献
資料名 請求記号 資料コード
『日本目録規則 1987年版改訂3版』
日本図書館協会目録委員会編 日本図書館協会 2006
/014.32/N71/ 1108361443
『図書館用語集 3訂版』
日本図書館協会用語委員会編 日本図書館協会 2003
/010.33/N71/ 1108157270
『日本地質図大系』
猪木幸男総編集 朝倉書店 1990他
E/455.1/N71 1101864732他
『豆本大阪年中行事小事典』
小谷方明著 村田書店 1980
S/386.816/Ko92 1102637178
『ギネス世界記録 2007』
クレイグ・グレンディ編 ポプラ社 2006
/031.5/G49 1108383710