教科書のおはなし その3 −高等学校編−」に続いて、今回は、「旧制教科書」についてご紹介したいと思います。

当館では、現行の学校制度が開始された1947年(昭和22年)4月以前に発行された教科書を、便宜的に「旧制教科書」として、それ以降に使われている教科書(「新制教科書」)とは別の体系で整理をしています。これまでご紹介してきた小学校中学校高等学校の教科書は、全て「新制教科書」になります。

現在、当館で利用できる旧制教科書の多くは、実際に個人の方が使用され、京都府立総合資料館に寄贈していただいたもので、2001年(平成13年)の新府立図書館開館時に、当館に移管されました。

旧制教科書の目録データの作り方は基本的に新制教科書と同じですが、旧制教科書独自の特徴を、いくつかあげてみたいと思います。

当館が旧制教科書としている発行時期の間では、何度か学校制度が大きく変わっています。

そこで、当館では、旧制教科書を、教科書の現物から判断できる範囲で、

「尋常小学校」「高等小学校」「国民学校初等科」「国民学校高等科」
「(旧制)中学校」「高等女学校」「師範学校」「実業学校」

の8つの学校種別に分けて整理しています。

お求めの教科書をお探しの際には、ぜひ、この学校種別も参考にして下さい。
(学校種別を手がかりとした検索については、「教科書分類・教科書件名」一覧のページをご覧下さい)

もうひとつ、旧制教科書の大きな特徴として、前述したとおり、個人の方が実際に使っていた教科書だという点があげられます。

そのため、書き込みや、破れ、切り取りがあるものも多く、古い資料なので、傷みがかなり激しいものもあります。

ただ、それだけに、文字で書かれている「内容」だけではなく、実際の"モノ"に触れてみないと分からない"情報"も多く含まれています。

たとえば、物資が乏しくなったためと思われますが、終戦期が近づくにつれ、1冊あたりの教科書のページ数が薄くなり、1つの教科書を上・中・下巻等に分けることが増えていきます。また、紙の質も、目に見えて悪くなっていきます。さらに、製本する余力もなくなったためか、1枚の大きな紙(折丁)の状態のままで配布されている教科書も見受けられます。

教科書に記述されている「内容」の変遷をたどるのはもちろん大切ですが、紙でできている教科書の、そういった、物理的な側面からうかがい知ることができる"情報"も、非常に興味深いと思います。

このように、また、少しだけ、みなさんにご利用いただける教科書の範囲が広くなりました。

ぜひ、この機会に、教科書という日本人共有の"歴史"に触れることで、来し方行く末に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。(t)

※当館の教科書の詳しい検索方法等については、当館ホームページ内「教科書目録案内」をご覧下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考資料
資料名
コラム目録の小部屋 No.15 教科書のおはなし -小学校編-(2007.3)
コラム目録の小部屋 No.23 教科書のおはなし その2 -中学校編-(2007.11)
コラム目録の小部屋 特別編1 教科書のおはなし その3 -高等学校編-(2014.3 )