今年は、本当に暖かい日が続きますね。冬が始まる前に、気象予報士さんが、「今年は暖冬傾向にある。」とテレビでいっていたのを半信半疑で聞いていましたが、お見事!予報的中でした。
さて、この「気象予報士」ということばを、当館参考図書コーナーにある『広辞苑』で探してみると、見つかりました。ところが、家でもう一度確認しようと、私の持っている『広辞苑』で探してみると「気象予報士」ということばが見つかりません。同じ『広辞苑』なのに、なぜなのでしょう。
調べてみると、当館所蔵の『広辞苑』は「第5版」、私の持っている『広辞苑』は「第4版」でした。版が違ったので、ことばがのっていなかったのですね。
ところで、この「版」とはいったい何なのでしょうか。『日本目録規則』の用語解説によると、

 「版」・・・1)同一出版者が同一原版を用いて発行する刊行物の刷り。
      2)同一マスターを用いたコピーの全体。

とあります。つまり、版がかわると、その本を出版するのに用いた原版がかわった、ということになります。

では、図書館で目録データを作成するとき、版についての情報は、どう記述するのでしょうか。版についての情報は、表紙、背表紙、標題紙に書名とともに記載されている場合もあれば、本の末尾にある奥付(おくづけ)に出版年とともに記されていることもあります。
一般に初版の場合は、版表示として、目録上何も記述しません。初版以降、版がかわった時に、目録データとして版の情報を記述します。版がかわったことを示す版表示には、先ほどご紹介した『広辞苑』における「第5版」といった表現のほかに、増補改訂版、改訂新版、新訂と様々なことばが使用されます。目録データをつくる際は、見落とさないように気をつけなければなりません。
ただ、版という文字が使用されていれば、すべて版表示として記述するわけではありません。例えば、本に「2007年版」と書かれていても、実際は巻数、回、年次等に相当する場合があり、このときは、版表示としては目録データに記述せず、巻次として記述します。

版がかわると、書名が同じでも同じ本としては扱わず、別の本として目録データを作成します。当館のweb-OPACで書名に「広辞苑」と入力して検索すると、同じタイトルがずらりと出てきます。当館の検索システムでは、資料一覧で版表示が確認できないため、一見すると同じ『広辞苑』がたくさんあるように見えます。しかし、資料詳細を見ると版が違うことがわかり、資料一覧で同じ『広辞苑』がたくさんあるように見えたのは、それぞれ別の本であることがわかります。このように、版の違いを確かめたいときは、資料詳細画面を開いてみてください。
私たちは、目録データを作成するとき、受け入れる本の書名、著者名、出版者名、ページ数、大きさ等々を確認し、同じ本の書誌データがすでに存在しているかどうか、注意して作業しています。そして、版表示も、同じ本か判別するための大切な情報のひとつとなります。

私たちの身の回りでは、次々と新しいことばが生まれています。100年後、『広辞苑』は第何版が出版されているか気になりますが、それよりもっと気になるのは、100年後のお天気です。地球温暖化による異常気象が、世界各地で起こっています。脱温暖化に向けた行動を、日々心がけたいと思っています。(み)

 

 

 

資料名 請求記号 資料コード
『広辞苑 第5版』
新村出編  岩波書店  1998
 813.1/Sh39  1105992141
『広辞苑 第4版』
新村出編  岩波書店   1991
 813/Ko  1100338902
『日本目録規則 1987年版改訂3版』
日本図書館協会目録委員会編  日本図書館協会  2006
 014.32/N71  1108361443