今回は、少し地味なお話ですが、よく尋ねられる出版年についてお話します。出版年が違うために、自分の探している本が、図書館で所蔵している本と同じかどうか疑問に思ったことはありませんか。

出版年というのは、図書を出版した年のことで、「目録」になじみがない方でも、何のことだかおおよそおわかりになると思います。目録データとして、出版年を記述するときは、どの年を出版年として記述するか、ということは重要な要素で、記述方法について大きな変化がありました。

 本の後の方に、奥付(おくづけ)と言われる、書名や著者名、出版年を記載した部分があります。奥付を見ると、出版年らしきものがたくさん書かれていることがあります。出版年としてどの年を記述するのか、悩むところです。

 同じ本でも、よく売れる本などは、何年にも渡って、刷っては売り、刷っては売り、を繰り返しますね。目録上は、どう表現されるでしょう。ごく簡単に言うと、昔は一番新しい刷り年を出版年として目録に記述しましたが、最近は最初に出版された年を出版年として記述します。各図書館が図書目録を1冊ずつ1枚の図書カードに書いていた時代は、その本1冊1冊の最新の刷り年をその本1冊のための図書カードに記述していました。図書館の世界にもコンピュータが入ってきて、目録データというものが図書館共通の資源として使われるようになると、同じ内容の本なのに刷り年が違うだけで違う本として扱うと、似たようなデータがあまりにもたくさんできてしまうので、初版の出版年を目録データとして記述するようになりました。

日本目録規則では、1987年版から最新の刷り年ではなく、最初に出版された年を記述する、と決められました。ですので、当館のように100年を超える歴史がある図書館では、利用者のみなさんに提供している目録情報のうち、出版年として最新の刷り年が書かれているものと、最初に出版された年が書かれているものとが混在しています。

 当館の図書館システムでは、その本1冊1冊の固有の情報として、刷り年を個別データとして記述しています。残念ながらweb-OPACでは確認していただけませんが、館内で貸出請求票を印字していただくと、出版年欄にその本固有の刷り年が印字されるようになっています。近年受け入れた図書については、このルールが適用されています。

というわけで、とりわけ過去に出版された本については、同じ本でも図書館によって目録データの出版年が違っているために、自分が探している本と同じかどうかの判断が難しい場合があります。逆に、自分が探している本の出版年と違っていても、実は同じ本である場合もあります。版次やページ数、本の大きさがわかっているときは、出版年以外の情報も同じ本かどうかの手がかりになります。

なかなか奥が深い出版年ですが、上手に使いこなしてくださいね。(よ)