こんな本、あります No.55『図書館情調』
「図書館は単に本が収められている空間ではない。そこで人が本に出会い、人に出会うことによって、静謐な読書の場は何事かが始まる物語の空間となる。」
解説にそう書かれているこの本は、図書館をテーマにした小説や散文詩、詩歌が集められた作品集です。作品は図書館について「使う」「働く」「幻想」の3つのキーワードで分類されています。採録作品は編者が面白いと感じたものが中心ですが、それだけでなく図書館や司書の歴史にも触れることができます。例えば、上野の帝国図書館を舞台にした宮本百合子の「図書館」は、戦前の婦人閲覧室が設けられていた時代と男女共用となった閲覧室の時代が比較されており、当時の図書館の様子が彷彿とさせられます。
ぜひ現実世界、空想世界さまざまな世界の図書館で、何かが始まる出会いを探してみてください。
<平成30年5月30日掲載>
『図書館情調』
日比嘉高/編 皓星社 2017.6
(請求記号:918.6/To72 資料コード:1110851480)
《関連資料》
☆『世界の図書館』 ビャーネ・ハマー/編 ほるぷ出版 2016.10
(請求記号:E/012/H26 資料コード:1110828850)
☆『日本の最も美しい図書館』 立野井一恵/文 エクスナレッジ 2015.5
(請求記号:010.21/Ta94 資料コード:1110435466)
☆『世界の図書館 美しい知の遺産』 ジェームズ・W.P.キャンベル/著 他 河出書房新社 2014.10
(請求記号:E/010.2/C14 資料コード:1110401906)
☆『世界の夢の図書館 37 Wonderful Libraries around the World』 エクスナレッジ 2014.1
(請求記号:E/010.2/Se22 資料コード:1110353735)
☆『図説図書館の歴史』 スチュアート・A.P.マレー/著 他 原書房 2011.12
(請求記号:010.2/Mu79 資料コード:1108763044)