No.6 請求記号について
あなたは、ご自分の本をどのように並べていますか?買った順に並べて置く方もいれば、小説・料理・歴史というふうに分野で分けたり、棚の高さに合わせて雑誌・文庫本というふうに分けるという方もいるでしょう。いずれにしても、その本を利用しやすいように整理するのが理想的です。
では、図書館ではどのように本を並べているのでしょうか?
図書館には、数え切れないほど多くの図書があります。一つの分野だけでも相当な冊数にのぼります。分野別・形態別にわけるだけでは、すぐにどの資料がどこにあるかが分からなくなってしまいます。そのため、図書館は「多くの図書の中から特定の資料を探し出し、所定の場所に返すためにはどうしたらよいか」を暗中模索しながら様々な工夫を重ねてきました。その結果生み出されたのが、「図書に請求記号を与える」ことです。
京都府立図書館の請求記号は、図書の背表紙に貼られているラベルに表示されています。閲覧室に並べている図書の背に貼られている四段ラベルについてお話しします。
<四段ラベル>
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四段ラベルには、上から順に (1)別置記号、 (2)分類記号、 (3)著者記号、 (4)巻冊記号、が表示されています。
<別置記号>
別置記号には 、サイズを示す記号と資料種類を示す記号があり、それによってラベル色も変わります。
E (大型:縦31cm以上) ・・・ラベル色は赤 |
S (小型:縦18cm以下) ・・・ラベル色は黄緑 |
D (大活字) ・・・ラベル色は黒 |
K (京都資料) ・W (和書) ・・・ラベル色は紫 |
別置記号なし ・・・ラベル色は紫 |
分類記号 は、図書を分野ごとに並べるための記号です。この記号については「コラム目録の小部屋№1」でお話をしましたので、ここではその補足説明をします。図書によっては、複数の分類があてはまることがあります。例えば『岩波ブックレット』というシリーズ本。岩波ブックレット№ 623 の『いま動物園がおもしろい』は動物園の分類「480.76」にあてはまり、No.668の『アスベスト問題』は大気汚染の分類「519.3」にあてはまります。一方、シリーズとしては、どちらも社会科学の叢書として「308」の分類に該当します。これらの図書を各分野の本棚に並べるか、シリーズで揃えて並べるかで、請求記号に取り入れる分類記号が違ってきます。
著者記号 は、同じ分類の中をさらに並べるための記号で、当館では『日本著者記号表 改訂版』もりきよし著(日本図書館協会発行)を採用しています。
この表は日本人の姓名を主対象とし、ヘボン式のローマ字の綴りに対応して記号化するためのものです。
例えば、著者が「もりきよし」の場合、著者記号は「Mo45」になります。表1を見て下さい。この表は、『日本著者記号表』の一部を書き写したものです。どの表も最初は 11から始まります。11の横に太字で書かれているアルファベットが、以下の表を代表するアルファベットとなります。この場合は「Mo」がこの表を代表するアルファベットとなります。「もり」=「Mori」の場合は、「Mo」の表の45にあてはまるので、著者記号は「Mo45」になります。
では、「森福(もりふく)」という姓の場合はどうでしょうか? Morifukuは、MorieとMorigの間になるため、この場合は手前のMorieを採用して「Mo47」になります。
このように、当館では基本的に対象図書の著者名を記号化しますが、著者が3人以上の場合など、書名から記号化することもあります。
巻冊記号 は、シリーズものなどを順序どおりに並べるための記号です。第1巻から6巻までの6冊にはそのまま巻数を与え、上・中・下巻の3冊には1,2,3と与えます。
これらの記号が与えられて初めて、図書は当館の資料として、本棚に指定席を確保することができるのです。当館の館内検索端末から希望の図書を検索した場合は、画面に請求記号が表示されますので、それを頼りに探してみて下さい。ただ、自分で直接本を探しに行けるのは、表示されている「場所」が「1F開架」「B1開架」となっているものだけです。「書庫」の場合はカウンターにおっしゃっていただく必要がありますので、まず、「場所」を確認してから探しに行って下さいね。(ち)
参考文献 | 請求記号 | 資料コード |
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『日本著者記号表 改訂版』 |
/014.55/Mo45/ | 1106089327 |