No.1 分類について ―「本はどんなふうに並んでいるの?」
図書館では、ある一定の法則に基いて図書を分野ごとに並べています。この法則を図書分類法といい、日本の多くの公共図書館では「日本十進分類法(Nippon Decimal Classification=NDC)」という方法を採用しています。京都府立図書館でも、このNDCを利用して図書を並べています。図書の背に貼られた請求記号ラベルの2段目の数字が、分類記号です。NDCのおおまかな区分は以下のとおりです。
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図書の内容によってもっと詳しい説明が必要な場合は、ゼロの部分に数字を入れて、細かな意味を付け加えていきます。 例えば、「100」の哲学であれば、「120」で東洋思想→「121」で日本思想という分類になります。さらに必要なときは、小数点以下の数字を付け、「121.5」(近世日本思想)というふうに展開していきます。
分類を決めるにはその本に何が書かれているのか把握する必要があります。書名や目次、解説、あるいはページをめくって目につくキーワードなどを手がかりに、適切なテーマを探り当てていきます。
『れんげ野原のまんなかで』(森谷明子/著 東京創元社)という、図書館を舞台にしたちょっと変わったミステリーがあります。その中には見たものすべてを分類記号に変換してしまう(ネコならば489.53といったふう)という図書館員が登場します。分類をきめる仕事において、どこに分類すればよいのか迷う図書もあり、そういった境地にはなかなか到達できませんが、利用される方にとって使いやすい図書館を目指して作業を進めています。
NDCが成立したのは1928年(昭和3年)ですが、それに先立って、京都府立図書館では岡崎に開館した1909年(明治42年)から独自の十進分類表を使用していました。当時の目録は「分類ハ十進分類法(デシマルクラシヒケーシヨン)ニ據ル」とされています。ここでいう“十進分類法”とは、アメリカの図書館人デューイによって作られた十進分類法(Decimal Classification)のことを指し、NDCもこの分類法が基になっています。 明治期における府立図書館の分類と比べると、現在使用しているNDCの分類はかなり詳細なものです。NDCは改訂を重ね、現在使用されているのは第9版です。時代が移り変わるにつれて、世相に合わせた新しい項目が追加され、あまり使われない項目は縮小されて新陳代謝を重ねてきました。近年追加された項目の例としては、「ネットワーク・ビジネス」「NPO」があります。分類表は、まさに社会の発展を反映したものと言えるかもしれません。(ユ)
*館内検索端末またはインターネット蔵書検索では、分類での検索もできます。
『日本十進分類法(新訂9版)』を館内検索用端末の横に備え付けておりますのでご利用ください。
参考文献 | 請求記号 | 資料コード |
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『京都府立京都図書館一覧』 京都府立図書館 1909.4 |
K/016/KY/ | 1100938883 |
『れんげ野原のまんなかで』 森谷明子著 東京創元社 2005.2 |
/913.6/Mo72/ | 1108288562 |