No.7 ダ・ヴィンチの謎を解け! -個人件名のおはなし- 

映画も公開されて話題のベストセラー、『ダ・ヴィンチ・コード』を読みましたか?
レオナルド・ダ・ヴィンチって、本当はどんな人なのでしょう。あの有名な肖像画「モナリザ」を描いた人? 医学に興味のある方にとっては、あの「解剖図」を描いた人? はたまた、飛行機の図面を引いた方? 人によっていろいろな印象をお持ちのことでしょう。さて、ダ・ヴィンチは、本当は、どんな人だったのでしょう?

このような場合、あなたならどうしますか?
ダ・ヴィンチについて書かれた本を読んでみたいと思ったら、どのようにして探しますか?

図書館にはたくさんの蔵書があります。その蔵書を管理して、利用していただくために、書名や著者名、分類等を一定のルールにのっとって目録データとして作成しています。このコラムでこれまでに少しずつお話してきました。今日は、「個人件名」のおはなしをします。

「件名」のおはなしをしていないのに、「個人件名」のおはなしをするのは、少し気が早いように思いますが、おつきあいください。

「件名」というのは、簡単に言うと本の内容を表すことばのことです。あまり、ふだんはなじみのないことばですね。インターネットや携帯電話の電子メールをやりとりする方なら、メールの内容を表す見出し行に、「件名」と書かれていることがあるので、見覚えがあるかもしれません。英語では、「subject」と言います。メールの見出し行に「subject」と書かれていることもあると思います。いずれにせよ、電子メールの内容がわかるように簡単に見出しをつけたものが、「件名」であり、「subject」となります。
図書館の目録で使う「件名」も同じような性質のものです。ただし、図書館で使う「件名」は、自分の思いついたことばを勝手に書くのではなく、その書き方に一定のルールがあります。詳しいおはなしは、また別の機会に委ねますね。

「個人件名」というのは、「件名」のうち、ある人について書かれた本の目録データを作成する場合に、その図書の情報として書かれる人の名前です。たとえば、「吉本ばなな」について書かれた本には、「個人件名」として「吉本ばなな」を与えます。一方、「吉本ばなな」が書いた本の場合は、「吉本ばなな」は「著者名」としては記載されますが、「個人件名」は与えません。ただし、自分で自分のことを書いた場合は、「著者名」としても「個人件名」としてもデータを記載します。
というわけで、「吉本ばなな」について書かれた本を探す場合は、「著者名」に個人名を入れるのではなく、「個人件名」に個人名を入れて探してください。Web-OPACの場合は、検索項目を変更して、「個人件名」に限定することができます。
「タイトル」に個人名を入れて検索し、吉本ばななについて書かれた本を探すことができる場合もあります。「タイトル」に「吉本ばなな」と入れて検索すると、『吉本ばなな神話』という本を探せます。ただこの場合は、「吉本ばなな」について書かれた『イタリアンばなな』という本を見つけることはできません。「個人件名」を使えば、「タイトル」に「吉本ばなな」と書かれていなくても「吉本ばなな」について書かれた本を探すことができるのです。

ところで、外国人を探す場合は、日本語での読み方や原綴がどうなっているかわかりにくいことがありますよね。こういうときは、一つ二つ探し当て、その図書の資料詳細を確認してください。そこに、図書館で与えている「個人件名」が表示されていますので、その「個人件名」を使ってもう一度資料を検索し直すと、より正確に探すことができます。

さて、それでは、ダ・ヴィンチの謎を探ってみてください!(よ)

(コラムで御紹介した図書)
資料名 請求記号 資料コード
『ダ・ヴィンチ・コード 上・下』 ダン・ブラウン著
角川書店 2004
/933.7/B77/1
/933.7/B77/2
1108214154
1108214162
『吉本ばなな神話』三井貴之著
青弓社 1989
/910.28/MI 1100164159
『イタリアンばなな』アレッサンドロ・G.ジェレヴィーニ著
日本放送出版協会 2002
S/910.268/Y91 1108197581