このアカンサスの模様が施された円形の装飾は、図書館3階の陳列室につけられていた天井飾りだと考えられます。この天井飾りの中心からシャンデリアが吊るされていました。この装飾は漆喰でつくられたものです。左官職人による仕事で鏝(こて)を使って、天井を見上げながら一つ一つの模様を手作業で作ってきました。左官技術は、江戸以前からあるもので、この天井飾りは明治の洋風と、日本の技術とが融合したものと言えるでしょう。(テキスト:本橋仁/京都国立近代美術館)

改築時(1998年)に取り外す直前の北陳列室の天井飾りです。

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