嘉永7(1854)年11月、東海・南海大地震が相次いで発生しました。テレビや電話、メールといった通信手段がなかった時代、遠隔地の人々に災害情報を知らせる役目を担ったのは、「飛脚」でした。江戸へ走った飛脚はこの地震の被害について、大坂(大阪)では雷鳴のような音がして大津波が押し寄せ被害が甚だしいこと、京都は格別の損害なし、と伝えています。
 
このように地震や津波、火災などが発生すると、飛脚たちは被害状況の詳細をリレー式に知らせていきました。早い便では江戸~京都を4日間で到達したといいます。その情報をもとに幕府や大名、商人たちは炊き出しや救い小屋の設置、献金や献米を行いました。すでに江戸時代には、今の日本の災害対策の基盤が出来上がっていたことが読み取れます。
 
本書は、現代の郵便や宅配便、さまざまな通信・運搬手段の先駆けであり、歴史の表舞台を蔭で支え活躍した、飛脚の実情を伝える一冊です。

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          『江戸の飛脚 人と馬による情報通信史』

               巻島 隆/著  教育評論社   2015.2

                       ( 請求記号:693.21/Ma36   資料コード:1110417720 )